北日本脳神経外科病院

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〒959-1825 新潟県五泉市太田440番地1

放射線科

当院放射線科では、日常診療で得た画像データを可能な限り有効利用するために、新潟大学脳神経外科学教室とともに様々な脳神経外科手術の術前検査としてのシミュレーション用3D画像の作成や、神経線維の画像化などに取り組んでいます。

対象となる術前検査

3次元画像シミュレーションの対象としている疾患と手術は、破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血に対する脳動脈瘤クリッピング術、三叉神経痛や片側顔面痙攣といった神経血管圧迫症候群に対する微小血管減圧術、脳腫瘍や頭蓋底部腫瘍性病変の摘出術などで、医師からの依頼に合わせた画像作成を行っています。

処理データの利用方法

従来の一般的な画像解析方法で作成した画像は、フィルムに焼き付けるかプリントしたものを指示医に提供するのみでした。
当院では、指示医がもう少し自由に使用することで、さらに有効となる画像利用法がないか思案していました。

当院で使用しているKGT社のINTAGEシリーズでは、解析ソフトReal INTAGEで作成したデータのレビューソフトとしてINTAGE Volume Playerを無償で提供しています。
これによって作成したボリュームデータはそのまま、指示医に提供することが可能となりました。

現在提供されているバージョン5は完成度が高く、初期のものから比べると表示法や操作面での問題点も改善され、日常診療において使用しやすいものとなっています。

作成した3Dデータは、術前に執刀医自身が実際の術野を模して観察することにおいて最も威力を発揮し、以前のように放射線技師が見やすい角度だけでデータを作るのではなく、得られたデータを最大限利用する方法として適した方法であると思われます。

実際、この方法を取り入れてから、新潟大学からの3次元画像解析を含めた検査依頼は著しく増加しており、当院で行ってきた術前シミュレーション法の要望の高さが実感されました。

その他の画像処理

神経繊維方向の画像化は専用の解析ソフトや東大放射線科開発のフリーウェアdTVを使用して行っています。

論文・学会発表

  1. MR脳内血管観察でボリュームレンダリング(VR)画像が有効であったケースについて(株式会社KGT VisJournal 2005年4月)
  2. 3次元MRI画像による脳神経の可視化 ?脳神経外科領域での臨床応用- (月刊新医療2007年8月)
  3. MR仮想内視鏡による微小血管減圧術前シミュレーションの有用性(No Shinkei Geka 2007年11月)
  4. 臨床画像データの有効利用と術前シミュレーションの有用性(月刊新医療2008年8月)
  5. Three-dimensional visualization of neurovascular compression:Presurgical use of virtual endoscopy created from magnetic resonance imaging (NEUROSURGERY JULY 2008)
  6. 3D Multi-fusion Volumetric Imagingによる頭蓋底部腫瘍性病変に対する術前シミュレーション(社団法人脳神経外科学会 第67回学術総会 2008年10月)

実際の画像例

神経繊維方向の画像化は専用の解析ソフトや東大放射線科開発のフリーウェアdTVを使用して行っています。

微小血管減圧術(仮想神経内視鏡)

頭蓋底腫瘍と骨・血管の関係(CT+MR VR画像)

神経線維方向の画像化(6軸テンソルイメージ・トラクトグラフィー)