医学物理士の資格と業務
医学物理士とは?
病院・学校・研究所に所属し、物理工学の面から医学及び医療に貢献し、かつ医学物理士の試験を受けて合格した人々のことをいいます。
米国のAAPM(the American Association of Physicists in Medicin)では、 「医学物理士は、放射線の安全性の保障と研究開発の手助けをすることにより、放射線画像技術を提供し、画像技術の改良を行ってきた。 そして、治療技術の開発にも貢献し、放射線治療計画を立案するために放射腺腫瘍医と協力し、がん患者に対して、正確な位置と線量を照射することを保証するために、装置と操作を監督する。」 となっています。
資格について
日本における医学物理士の認定は、日本医学放射線学会によって実施される医学物理士認定試験に合格し、認定申請資格に従い認定を申請したものに対して認定されます。
受験資格は以下のようになっています。
- 理工農薬学修士または博士で、医学経験1年以上
- 理工農薬学修士で、医学経験3年以上
- 放射線技術学系もしくは放射線医学物理系の修士または博士(取得見込みを含む)
- 放射線技術学系の学士で、医学経験2年以上
- 診療放射線技師で、医学経験5年以上
- 医師・歯科医師で、医学経験1年以上
- 医師・歯科医師以外の医歯学博士で、医学経験1年以上
前項の規定にかかわらず学会が認めた者に受験資格を認める。
認定申請資格は以下のようになっています。
合格した日本医学放射線学会正会員及び日本医学物理学会正会員で過去2年間に業績評価の合計が30単位以上あり、次の各号のうち1条件を満たす者で合格5年以内の者に認定資格を与える。
- 理工農学修士または博士で、医学経験3年以上
- 理工農薬学修士で、医学経験5年以上
- 放射線技術学系もしくは放射線医学物理系の修士または博士で医学経験2年以上
- 放射線技術学系の学士で、医学経験4年以上
- 診療放射線技師で、医学経験7年以上
- 医師・歯科医師で、医学経験3年以上
- 医師・歯科医師以外の医学歯博士で、医学経験3年以上
認定試験は毎年1回実施され、認定後の資格更新は学会で規定する単位を2年間で30単位以上取得し、申請しなければなりません。(2008年11月現在)
現在、日本の医学物理士は382名が認定されています。
当院での医学物理士の業務
当院では、医師1名と診療放射線技師1~2名、看護師1名でガンマナイフ治療を行っています。
その中で医学物理士としての業務は、装置の品質管理と線量測定、治療計画の精度計算、治療計画の補助、教育訓練などで、治療が安全に精度よく行われるように管理しています。 また、治療内容以外の放射線に関する質問(影響や装置についてなど)があればいつでもお答えします。