脳神経外科
当科のご案内
五泉中央病院の脳神経外科は、その前身である北日本脳神経外科病院のメンバーがそのままそっくり移行して組織されており、長年にわたり五泉で育てて頂いた脳神経外科専門集団です。
脳神経外科は名前の通りに脳や神経の病気を「手術」で治す科ですが、日本の脳神経外科医は伝統的に手術だけにこだわることなく、「脳血管障害」と呼ばれる「脳梗塞・脳出血・くも膜下出血」や「頭部外傷」すなわち「頭のケガ」については、診断から治療、そしてリハビリまで一手に引き受けてきました。また、「めまい・しびれ・けいれん」などについても患者様が受診する最初の窓口になってきました。それに加えて、昨今の高齢化社会の進行により非常に患者数が増えて社会問題化している「認知症」や、学生から働き盛りの年代に非常に多い「慢性頭痛」への対応もかなり脳神経外科医が担当しています。五泉中央病院脳神経外科は、それらに対応し地域に根差した病院の役目として今後も「脳神経」が心配な患者様が「気軽に」受診できる窓口でありつづけるよう努力してまいります。
病気別対応について
1.脳血管障害
当院で治療したほうが良い患者様と、協力関係にある新潟大学病院や新潟市民病院などの高次医療機関で特殊な治療した方がよい患者様をすばやく判断して適切に振り分けます。それにより患者様が最も良い医療を受けられるように配慮します。
2.頭部外傷・脳腫瘍
脳血管障害と同じ対応を行います。適切な治療施設選定が患者様にとって何より大切であると考えて対応します。当院で抱え込むことはせず、オープンにたくさんの病院と相談しています。
3.めまい、しびれ、頭痛など
外来受付時間内に来て頂ければ、受診当日にMRIを含め、ほとんどの精密検査が可能です。お待たせすることもありますが、できるだけ当日に検査結果を説明できるような体制にしています。
4.リハビリテーション
脳の病気ではどうしても後遺症が問題となります。当科ではリハビリテーションに力を入れています。五泉から搬送されて新潟市内の高次医療機関の病院で脳血管障害・頭部外傷の急性期治療を受けた患者様や、整形外科領域の骨折に対する手術を受けた患者様に対し、住み慣れた地元に戻り、比較的長期間にわたり心を落ち着けてじっくりとリハビリに取り組んで頂くため、回復期リハビリテーション病棟を開設しております。1日あたりにできるリハビリの量が一般病棟の2倍できる病棟とイメージして頂くとわかりやすいと思います。森井が専任医師として同病棟の責任者を拝命し、患者様の後遺症を少しでも軽減するための取組みを積極的に行っています。
5.認知症
五泉地域は高齢化が他の地域より進んでおり、認知症への対応は地域医療への貢献が大きい分野と考えます。当科では、佐藤が認知症専門医・指導医として認知症外来を行っており、診断から治療、患者様家族の対応の指導、行政との連携などを包括的に展開しており実績を積み重ねております。特に診断については高磁場のMRIと特殊な脳血流測定機器(SPECT・スペクト)の両方を持つ新潟県内でもほとんどない施設であり、ただ認知症であるというだけでなく、さらに細かい診断(アルツハイマー型認知症なのか、レビー小体型認知症なのか、脳血管性認知症なのか、あるいはそれらが入り混じった複雑なタイプなのか、など)を行い適切な対応・治療につとめます。発展的に認知症センターを開設して五泉とその周辺地域の認知症拠点施設となる予定です。
6.慢性頭痛
学生や働き盛りの年代にあたる方の中に慢性頭痛のために十分に満足な日常生活・社会生活を送れずに困っている方がたくさんおられます。頭痛で学校や仕事を休むのは甘えだ、さぼりだと考える社会風潮があり、患者様は行き場を失っていました。当科では長谷川が頭痛学会専門医・指導医として頭痛外来を開設して十数年を経過しており、そのような患者様をたくさん診察しています。こころあたりの方は気軽にお電話にて頭痛外来の予約が可能です。ゆっくりと時間をかけて診断・治療を行ってゆきます。
7.脳ドック
脳の検診です。検診ですので自費になりますが、日本脳ドック学会の基準を満たした体制です。
8.その他1
漠然としていても構いませんので、「脳神経」について心配があれば気軽に外来受付時間内に受診をお願いします。先に記載したように当日に診察・検査を行い、結果をお知らせいたします。
9.その他2
小児の脳神経救急など一部対応不可の部分もあります。個々の事例で判断させていただくことを御了承ください。